人間の霊性を無視して尊厳性を失う


社会科学と故郷喪失

 社会科学は本当に人を幸福にするのか。戦争、飢餓、貧困、自然災害は克服されておらず、グローバル資本主義は現代文明の脆弱(ぜいじゃく)さをあらわにしている。

 経済学者も本質的欠陥に気付き、佐伯啓思は『近代の虚妄』(東洋経済新報社)を著し、中山智香子は『経済学の堕落を撃つ』(講談社)を書いて経済学を批判した。

 社会科学が生まれたのは西欧に近代世界が登場した時代で、学術用語も社会制度も他の文明圏に転用されていった。世界の西洋化はなぜ起こり得たのか。


...【全文を読む】
記事の全文をご覧になるには会員登録が必要です。
新規会員登録へ
ログインへ