子宮頸がんワクチン 国に接種中止求める請願書
全国初、大和市議会で可決
神奈川県大和市の市議会は6日、大和市が国に子宮頸がんワクチン接種事業の一時中止を求める意見書を出すよう要望する「請願書」を厚生常任委員会で可決した。
地方議会で接種中止の意見書を求める請願書が可決されたのは、全国で初めて。
この請願書の可決を受けて、大和市市議会が国に同ワクチン接種中止を求める意見書を作成し、25日の本会議で可決し国に提出する段取りだ。
同様の請願書が東京都町田市でも近く提出の予定で、同ワクチン接種中止を求める地方議会の動きに弾みがつきそうだ。
今のところ同市で副反応被害は報告されていないが、請願書は、大和市でワクチンを接種した約4000人の速やかな健康被害状況の追跡調査、救済体制の確立を要望している。
保守系会派の井上貢市議は、同委員会で、子宮頸がんの予防効果より重篤副反応の出現率の方が4倍高いことを指摘。「リスクが高いのに因果関係は十分に説明されていない。こんな状況では自分の子供にも勧められないし、大和市の子供たちにも勧められない」と請願書に賛成を表明した。
これに対して、公明党の鳥渕優市議は、「子宮頸がんワクチンは女性の命を守るもの」と述べ、副反応はワクチンが原因ではないと反対を表明。だが、「国がどうしてここまで子宮頸がんワクチン接種にこだわるのか疑問だ」などの意見が出され、請願書は5対1の圧倒的な票差で可決された。
同市は、中学1年生から高校1年生までが無料接種の対象で、これまで75%が接種してきた。
厚労省は、ギランバレー症候群と急性散在性脳脊髄炎を新たな副反応例に加えるよう先月末、告知したが、今年3月に同市が保護者に送付した接種案内は、昨年と同じ内容だ。
このため「市のホームページで新たな副反応例を周知したい」(健康づくり推進課長)としている。