子宮頸がんワクチン 文科省が副反応の調査開始
接種と欠席との関連把握
文部科学省は、子宮頸がんワクチンを接種した生徒の副反応の状況を把握するため、都道府県教育委員会に実態調査を依頼する通達文を7日付で送付した。この通達文は、同ワクチンの影響で学校生活に支障を来している女子生徒がいるとの指摘を踏まえ、全国の国公私立中学校、高等学校に実態調査を依頼するもの。
教委は学校に別紙の質問項目に基づき、調査を進めるよう要請。文科省は、教委を通じた回答の提出期限を7月31日に定めている。
質問では、1年間に連続または断続して30日以上学校を欠席したり、体育の授業を休んだりした女子生徒で、子宮頸がんワクチン接種による副反応があったケースを問うている。
そうした例があった場合は、学校側が本人とどういう対応をしたかを選択肢で答えるほか、ワクチン名、接種と体調不良の時期、症状なども回答する。
これまで学校現場では、副反応による体不調で欠席すると、「ずる休み」と誤解される例もあり、同調査により、副反応への理解が進むことが期待されている。
「全国子宮頸がんワクチン被害者連絡会」(池田利恵事務局長)は5月10日、下村博文文科相を訪ね、中学高校大学での同ワクチン副反応の実態調査を要望。
池田事務局長は「文科省が早く体制を整えて動いてくれた。事実が明らかになることが大切」と指摘。3月末までに328万人が同ワクチン接種を受け、厚生労働省には1968件の副反応報告が上がっている。