子宮頸がんワクチン 接種中止に前向き-町田市長
「被害者救えねば信頼は難しい」
地方議会で子宮頸がんワクチンの接種中止を求める一般質問が相次ぐ中、東京都の石阪丈一町田市長は11日、多くの女子生徒が副反応被害に苦しみ、かつ治療法がない現状から、同ワクチン接種中止に前向きな見解を示した。渡辺厳太郎市議の質問に答えたもの。
渡辺市議は、子宮頸がんの原因とされるヒトパピローマウイルス(HPV)は15種類あるが、導入されている子宮頸がんワクチンで防げるのは「16、18型の2種類」(地域保険担当部長)であることを指摘。
また、この2種類のHPVに対するワクチンの予防効果は10万人に7人だが、副反応出現率は「10万人に22・8人」(同部長)と、リスクの方が大きいことを強調した。
さらに子宮頸がんワクチンであるサーバリックスが引き起こす副反応として、筋力低下を引き起こすギランバレー症候群と免疫力が強くなり過ぎ免疫体系が異常を起こす急性散在性脳脊髄炎という難病が新たに加わったことを説明。
被害者の少女の「パラリンピックで足が無くても義足で走っている選手がいるのに、どうして自分は足があるのに走れないのだろう。足が無くても走れるなら無くてもよいと本気で思いました」という手紙を紹介し、「予防接種はリスクより予防効果が大きいので行うのではないか」と市長の見解を質した。
これに対し、石阪市長は「被害者が救済されないままで、予防接種制度を信頼しろというのは、私も難しいと考える」と表明。信頼回復のため「国が正しい情報を提供する」必要性を強調した。
この日、町田市のほか東京・小金井市など4都市の議会で、子宮頸がんワクチン接種に関する一般質問が行われた。