子宮頸がんワクチン 患者の3割、痛み改善せず


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調査結果が報告された子宮頸がんワクチンに関する厚生労働省の専門部会=4日、東京・新橋の航空会館

 接種後、体の痛みなど重篤な副反応を訴える人が相次ぎ、接種勧奨が一時中止されている子宮頸(けい)がんワクチンに関する厚生労働省の専門部会が4日、東京・新橋の航空会館で開かれた。専門部会は、作年10月から3月末まで厚労省に報告された副反応の症状について、従来の状況と大きな違いはないとの見解をまとめ、副反応について医学的に解析中とし、積極的に接種を勧めない状態を継続した。

 同省研究班(代表・牛田享宏愛知医大教授)が昨年9月~6月に実施した調査によると、痛みを和らげる治療を続けた患者の約3割に改善が見られなかった。痛みを専門的に診察する11の医療機関で治療を続けた70人のうち、47人の痛みが改善されたが、22人は変化がなく、1人は悪化した。また2009年から今年3月までの副作用報告数は計2475件。このうち運動障害を伴うなど重篤な症例は176件で、発生率は10万接種当たり2件という。

 なお専門部会では「心身の反応」という表現が誤解を招いたとし「機能性身体症状」の方が正しいとした。副反応検討部会の桃井眞理子座長は「心と体に対して別々にアプローチするのではなく、心身両面の二つのアプローチが必要である」と語った。

 また、接種勧奨の一時中止で、接種者数が月2000人程度に激減した。

 一方、全国子宮頸がんワクチン被害者連絡会の松藤美香代表は「心身の反応がどうこうではなく、どうやったら治療できるのかが重要。ここでやっている議論が誰のためのものなのか、何のためのものなのか全く分からなかった」と批判。

 さらに、6月9日に「全ての副反応症状の原因を心因性として説明することは医学的に不可能」と検討部会の結論に異議を唱える論文を発表した信州大学の池田修一医師が、痛みを専門的に診察する医療機関の調査班から外されたことに、大きな疑問を示した。