メーカーから委員11人に資金提供 子宮頸がん、専門家会議に市民団体開示要求


 子宮頸(けい)がんワクチンを接種した人が長期にわたる痛みを訴え、接種勧奨が一時中断された問題で、薬害オンブズパースン会議(代表・鈴木利広弁護士)は29日までに、ワクチンの普及活動を行う「子宮頸がん征圧をめざす専門家会議」に、メーカーからの資金提供を明らかにするよう求める質問書を送った。

 専門家会議は野田起一郎前近畿大学長が議長を務め、日本医師会理事や日本産科婦人科学会理事長が委員に就任している。

 一方、製薬企業が昨年始めた情報開示で、ワクチンを販売するMSDから12年度に2000万円、グラクソ・スミスクラインから1500万円の寄付を受けていたことが判明。それ以前の資金提供は開示されていない。

 薬害オンブズは「会議は政策や世論に大きな影響を与えてきた。メーカーとの経済的関係を明らかにした上で活動すべきだ」と指摘した。

 ワクチンの副作用と接種勧奨再開を議論している厚生労働省検討会の委員15人のうち、11人がメーカーから講演料などを受け取っていたことも判明している。

 専門家会議事務局は「議長と相談し、対応を検討する」と話している。

(時事)