大手玩具メーカーのバンダイが今夏、小中学生…


 大手玩具メーカーのバンダイが今夏、小中学生の子供を持つ親900人に子供の防災対策に関して尋ねた結果を、来月1日の防災の日を前に発表した。その中で、災害が起きた時の集合場所や連絡手段について子供としっかり話し合えている家庭は、わずか5・9%しかなかった。

 約7割の家庭が何らかの対策をしていたが、その一方で災害時について子供と話し合っているかどうかについては「全く話し合ったことはない」が23・2%、「あまり話し合えていない」が57・9%と多数を占めた。

 昨今は、子供の通学路の防犯、スマホの長時間使用の抑制など、目前の教育環境をめぐっての対策がせわしい。災害対策は二の次で、親子の間で切迫した感がないのは容易に想像される。

 昔は防災といえば、親が食事や一家団欒(だんらん)の場で火の用心について言い聞かせたものだが、そんな機会も少なくなった。「まさかの時を考えろ」という防災の心構えを、親子が共有するのは易しくない。

 しかし災害時、家族との連絡が取れず互いの所在が知れないことほど不安なことはない。避難経路・場所を記したハザードマップが役に立つとは限らない。

 災害の種類や起きた時刻、被害の程度や状況によって最適な避難経路・場所は異なってくるからだ。緊急時、親子や家族間で互いの判断に信を寄せることができてこそ、ハザードマップの情報も生きてくる。日ごろの防災対策の話し合いがとても大切だ。