毎日、暑い日が続き、まさに真夏という感じ…


 毎日、暑い日が続き、まさに真夏という感じだが、少し物足らない感じがしていた。セミの鳴き声がしなかったからだ。最近になって、ようやく耳にするようになった。

 昨年の夏は、もう少し早い時期に鳴いていた気がするのだが、猛暑続きでセミも出番を遅らせたのかも。そんな思いになるほど、今年はセミの声がおとなしい。

 セミというと、ニイニイゼミやアブラゼミなど羽の色で樹皮に擬態するものがまず鳴き始め、その次に羽が透明なミンミンゼミやクマゼミ、ヒグラシ、ツクツクボウシなどが合唱に加わるというのが定番だった。

 特にミンミンゼミは独特の間で鳴くので、セミの鳴き声の中でも印象的。最初はゆったりとしたリズムで鳴き、人の気配が近づいてくると切迫したように短いテンポになり、突然休止する。ソリストのような演奏ぶりである。

 夏の盛りに鳴くミンミンゼミは、まさに夏の象徴。だが、今年はセミの数が少ないようで気になる。夏の平均気温の高低によってセミの発生数が左右されるのかどうか分からないが、今年は例年になく、寂しいほどセミの声が低く弱々しい。

 セミが大量発生している時は、公園の木や柵(さく)、草などにセミの抜け殻がしがみついているが、今年はまだ見掛けていない。セミが鳴くのはオスがメスを求めての求愛行動。ここ数日、通勤の途中に見つけたアブラゼミは、同じ位置で鳴いている。まだ伴侶を見つけられないのか、少しばかり気になっている。