吉本興業の騒動は今月に入って小康状態と…


 吉本興業の騒動は今月に入って小康状態となったが、事態がサッパリ進展していないことに変わりはない。こうした中、女性テレビコメンテーターの言葉が印象に残っている。

 吉本の芸人らはコメンテーターとしても活躍している。だが、一般の話題についてコメントする優秀な彼らも、自身の会社に関するコメントはなかなかしづらいだろうから、そこに着目していきたいといった趣旨だ。

 コメンテーターに限らず、騒動の渦中に置かれた吉本芸人たちは、ひどく歯切れが悪い。さりとて吉本のコメンテーターらも、番組でコメントしておいて、後で「冗談だった」と弁解するわけにはいかない。

 コメンテーターとして登場している以上、ボケをかますこともできない。困惑自体を語る方法はあるだろうが、いつものように切れのよいコメントをすることは簡単ではなさそうだ。

 誰だって他人について発言するのは楽だ。裏返せば、自身について語るのは困難だ。これは古今東西世の常だから、ことは吉本芸人だけの問題ではない。いつ誰が「自分を問われる」局面に置かれるかは分からないのだ。

 何百人もいるであろうテレビコメンテーター一般も、世間からの信頼が高いとはとても言えない。「どういうルートで起用されたのか知らないが、何となくスタジオに座っていて、適当なことを言っている人」ぐらいの認識しか持たれていないケースの方が圧倒的に多いのが実情だろう。