来年の東京五輪・パラリンピックのボート…


 来年の東京五輪・パラリンピックのボート・カヌー会場として新設された東京臨海部の「海の森水上競技場」の記事が、昨日と一昨日の小紙に掲載された。競技場の完成式典の祝辞で、国際ボート連盟のジャン・クリストフ・ローランド会長は「初めて視察したときには、中央防波堤水路からこんな立派な競技場に変身することを想像できなかった」と賛嘆した。

 世界の施設を見慣れている会長にとっては競技場もさることながら、おそらく立地する「海の森公園」の環境の変貌に目を見張ったのではないか。

 長さ約2300㍍、幅約200㍍の水路を活用した競技場は締め切り堤で波の浸入を防ぎ、消波装置で波を抑える。その上に、波を立てやすい強い風対策に防風林まで設けたのである。

 東京湾に浮かぶ、1230万㌧のごみと建設残土で埋め立てられた高さ約30㍍の「ごみの山」は約95㌶の島。公園はここに、苗木を植え森に生まれ変わらせる「海の森プロジェクト」の成果である。

 平成20年から27年まで行われた東京都などのプロジェクトには、企業、NPO、学校、その他の団体など広範な人々が参加。スダジイ、タブノキ、エノキなどの苗木づくりと約24万本の植樹が行われた。

 実は気流子も、その植樹イベントに3回ほど参加してきた。植樹ボランティアのNPOに加わり、合わせて50本ほどを植えたにすぎない。それでも「ごみの山」が森となり、五輪競技場ができたことは感慨深い。