正月三が日が過ぎ、きょうは土曜日。…
正月三が日が過ぎ、きょうは土曜日。本格的に世の中が動きだすのは6日の月曜日からということになる。中には、松飾りがとれるまではお正月、という人もいるだろうけれど。
日本のクリスマスツリーは豪華になり、装飾のセンスでは本場に負けない。しかし、一向に聖なる雰囲気を醸し出さないのはどうしたことか。キリスト教文化の背景を持たないのだから、まあこれは仕方がない。
その反対に、門松など松飾りは、清々しく目出度いものを感じさせる。正月に松を飾るのは、その常緑が生命力を象徴するとともに、歳神を迎える依代(よりしろ)としての役割があるからだ。神道の伝統があるからこそ、簡単な松飾りでも、宗教的な空間と感じるのだ。 能舞台には正面の鏡板に必ず老松が描かれる。奈良の春日大社の「影向(ようごう)の松」を模したのが始まりという。昔この松に春日大明神が降臨し、萬歳楽を舞ったという。老松が能舞台の清浄さを演出している。
神霊の降臨などは信じない人も含めて、誰もが一年を清々しい気持ちで出発したいと思う。人それぞれ一年の目標を持ち、周到に計画を立てても、この先何が起きるかは分からない。人智では計りがたい世界がある。だから人は、心身を清めて神仏の加護と導きを願い初詣でに出掛ける。
正月の様々な行事も、歳神や先祖の霊とともに楽しむ、神遊びの側面を持つ。あと2日、神様とたっぷり遊んで、この一年元気にスタートしていただきたい。