自動車は世界最大の産業だが、IT(情報…
自動車は世界最大の産業だが、IT(情報技術)やAI(人工知能)の革命と相まって業界の動きが急だ。米ゼネラル・モーターズ(GM)が、全世界で15%の人員を削減すると発表した。
米国の関税引き上げによる原材料高の影響もあるが、電気自動車や自動運転車など次世代車の開発競争に勝ち抜くため経営資源の投入に本腰を入れるという。
わが国では10月初旬、ソフトバンクグループとトヨタ自動車が、自動運転技術など新しいモビリティー(移動手段)サービスの構築に向け戦略的提携に合意した。業界の大御所トヨタと積極的なM&A(合併・買収)戦略で事業を拡大してきたソフトバンクがタッグを組むということで関係者を驚かせた。
ソフトバンクは人型ロボット「ペッパー」でロボット技術の優秀性をアピールしており、トヨタはそのセンサー技術などに目を付けた。自動運転に欠かせない高速移動体通信技術もソフトバンクが強い。
現在、世界で走っている四輪車は約12億台で、ほとんどが手動運転。新車が年間約9000万台供給されるが、これがやがては全て自動運転車になると予想される。自動車ビジネスは幅広い職種を生み出し、社会の様相を大きく変える可能性がある。
日産自動車前会長のカルロス・ゴーン容疑者が逮捕された。報道ではゴーン容疑者のスキャンダルが強調されがちだが、事件の背景に自動車業界の厳しい生き残り合戦がうかがえる。