茨城県つくば市の産業技術総合研究所で、…
茨城県つくば市の産業技術総合研究所で、日本で「1㌔㌘」の基準となっている合金製の分銅「日本国キログラム原器」が公開された。「キログラムの定義」が約130年ぶりに見直されることになったためだ。
18世紀末には水1㍑の質量と定義され、1889年に白金イリジウム合金製の分銅「国際キログラム原器」が基準に。だが技術は進歩し、光が持つエネルギーの最小単位「プランク定数」を使った新定義に移行するという。
科学の進歩に対し、万物の霊長と言われる人間の精神的法則に関しては探求が遅れている。それらは道徳や宗教的戒律として表されたにすぎず、重さのような原器の発見には至っていない。
個人から家庭、民族、国家、世界に至る精神的法則が明確にされれば、紛争も解決されていくに違いない。今年は歴史学者、朝河貫一の没後70年に当たり記念行事が行われたが、この精神的法則を探求した学者でもある。
「世界史にはそれを貫く道義がある」という信念を抱き、歴史研究で「人類史とその運命の真相にたいして組織的な貢献をなそう」と志した。その一例が日露戦争後に日本の外交を論じた著書『日本の禍機』だ。
彼はこの著作で精神的法則を一つ挙げる。「私曲」という言葉だ。自分のために不正を行うという意味だが、私的なことには限度があり、限度を超えて他の領域を侵すと悪になると定義。私曲は東洋の古い言葉だが、原器の存在を暗示している。