インドネシア中部に位置するスラウェシ島の…


 インドネシア中部に位置するスラウェシ島の中スラウェシ州でマグニチュード7・4の大きな地震が発生し、州都のパル市を中心に地震に伴う津波が押し寄せた。

 ツイッターにアップされた映像を見ると、津波でなぎ倒された木々がすさまじい勢いで沿岸部を流されていく。津波は強い勢いのまま住宅や宿泊施設に到達し、それらをのみ込んでいく様子に息をのむ。

 近年の地球温暖化による海面上昇が、津波の高さに与える影響は大きいだろう。今回は高さが3㍍ほどで、東日本大震災で発生した津波の15㍍と比べれば低かったものの、海岸線が長く、海抜0㍍の沿岸地域が続く当地は、ほとんど無防備状態だ。

 死者は1000人以上に達するとみられている。海には無数の遺体が浮かんでいるという。インド洋ではほかにモルディブ諸島が海面上昇の影響を受け、異常気象による自然災害の被害も避けて通れなくなっている。

 これらの地域は以前、雨期と乾期の区別があったが、今は時期を選ばず雨が降り、高潮が襲ってきているというのもその例だ。地域によってはその真逆で旱魃(かんばつ)の被害が続くという気象の両極化が起こっている。

 台風などの自然災害に対する備えがあまりできていない国や地域なので、その分、人々の恐怖も強いはず。二酸化炭素(CO2)など温室効果ガスの排出による温暖化について言えば、小さい開発途上国の人々が、その被害を最前線で受けていることになる。