激しい爆発で吹き飛ぶ建物や土砂、舞い上がる…
激しい爆発で吹き飛ぶ建物や土砂、舞い上がる土煙。北朝鮮北東部・豊渓里の核実験場の爆破が海外のメディアを前に行われた。同じ日にトランプ米大統領は、来月予定されていた米朝首脳会談の中止を北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長に書簡で通告した。
ただ、条件が満たされれば将来的に首脳会談を開く可能性を否定していないところをみると、トランプ氏一流の駆け引きなのか。
それにしても、中止通告に対する北朝鮮側の反応が、これまでと大分雰囲気が違っている。正恩氏の意を体した金桂冠第1外務次官の談話には、例の激しい非難の言葉はなかった。「予想外のことであり、非常に残念に思わざるを得ない」「いつでもどのような方法でも、向かい合って問題を解決していく用意がある」と対話継続の意思を示している。
敵意をむき出しにしたかと思えば、人が変わったように友好的になったり。相手、時と場合によって、変幻自在に態度を豹変させてきた北朝鮮は、これまでにさまざまな国を籠絡してきた。
しかし、トランプ氏にはその手が通じないことを少しずつ理解してきたのではないか。専門家の検証を受け入れず、政治ショーの意味合いしかない核実験場爆破も一顧だにしない。それに加え、トランプ氏の出方がいまひとつ読めない。
とはいえ、米朝交渉は第1ラウンドが終わったにすぎない。何ラウンドで決着が付くのか。圧力を緩めず、粘り強く交渉していくしかない。