熊本地震の発生からきょうで2年となる。…
熊本地震の発生からきょうで2年となる。市民の誇りである熊本城も、石垣や天守閣が崩れて大きな被害を受けた。以来熊本城の復旧は、復興のシンボルとなった。
東京ドーム21個分もある広い敷地には櫓や城門など13の国指定重要文化財の建築物も散らばっているが、一番復旧が進んでいるのが天守閣。まだ足場の櫓やシートで囲われているが、6日には大天守の最上部で新しいしゃちほこの設置が始まった。遠くからも見える天守閣を一日も早く元の姿にということだろう。
一方でなかなか進まないのが、石垣の復旧だ。加藤清正が近江から連れてきた石工集団、穴太(あのう)衆が造ったという堅牢な石垣も無残に崩れた。被災後間もなく、修復には相当の期間がかかると関係者がみたのも無理はない。石垣を元通りに積み直すため、1個ずつ並べられた石の写真を見て、ジグソーパズルのような作業をどうするのか気が遠くなった。
問題は、以前と同じように石を組んだだけでは、今後起きるかもしれない地震でまた崩れる可能性があり、耐震性を持たせるため、どのような工法で行うか決まっていないことだ。
しかし、下手に急ぐ必要はない。市には「100年先を見据えた復旧」という基本方針を貫いてほしい。
復旧される熊本城は、おそらく昔と同様の豪壮かつ優美な姿を取り戻すことになるだろう。それとともに「地震に強い21世紀の城」として生まれ変わることを期待したい。