75歳以上の運転者の認知症対策を強化した…


 75歳以上の運転者の認知症対策を強化した改正道路交通法が昨年3月に施行されたのに伴い、75歳以上の運転免許の自主返納も急増している。2016年の16万2341人に対し、昨年は25万2677人と大幅に上回った。

 それでも高齢運転者の事故は依然として高水準が続いている。昨年の死亡事故418件は前年より41件減(死亡事故全体の12・9%で同0・6ポイント減)でも「減少はわずかで、増加傾向を打ち消すに至っていない」(警察庁の担当者)のである。

 今年も1月に前橋市で自転車に乗っていた女子高生2人が、85歳の男が運転する車にはねられ意識不明になる事故。都内港区の都道では78歳の弁護士(元地検特捜部長)運転の車が道路脇の店に突っ込み、はねられた歩道の男性が死亡する事故などの新聞記事を記憶する人も少なくなかろう。

 超高齢社会化がさらに進む中で、21年には75歳以上の運転者が613万人に達すると推計される。自動ブレーキや踏み間違え防止機能のある「安全サポート車」などの対策技術の開発にかかる期待は大きい。

 昨年は交通事故死者が戦後最少だった1949年の3790人を実に68年ぶりに下回る3694人となる画期的な年となった。今年は1月の319人(昨年比37人増)を、2月245人(同43人減)、3月281人(同22人減)がカバーした。

 1年の4分の1となる3月までの計845人(同28人減)は昨年をさらに下回る可能性を示している。