旅行などで出国する日本人の数は、約20年前…
旅行などで出国する日本人の数は、約20年前の1996年には1669万人で、うち20代は463万人だった。ところが2016年は全体が1712万人とほぼ横ばいだが、20代は39%減の282万人と落差が大きい。
主な減少理由として、若者がショッピングセンターや温浴施設など近場で休日を過ごす傾向にあること、スマートフォンのゲームなど室内での趣味が増えたことなどが考えられる。
そこで観光庁は、若者の海外旅行を増やすための取り組みを今年度末までにまとめ、19年度予算概算要求に関連施策を盛り込む方針だという。
若者と海外というテーマで言えば、海外留学者数についても、以前は他国が軒並み伸びているのに、わが国では減っているという状況にあった。当時の国立大学協会調査では「帰国後、留年する可能性が大きい」「経済的問題で断念」「帰国後の単位認定が困難」などの理由が大きかった。
東大当局は、留学者数が少ない実情を憂い、「秋入学」を積極的に検討したのもその頃。海外への留学も留学生の受け入れも容易にしようとしたのだが、結局見送られた。
その後、行政当局がてこ入れし、留学後のバックアップ体制を取ったことで、ここ2~3年はその数がやや上向きになってきたようだ。今回の海外旅行者増加策も、これに倣うということか。上からのプッシュや支援がなければ動きださない……というのでは、何となく情けない。