宮城県多賀城市が古代米を使った新グルメ…


 宮城県多賀城市が古代米を使った新グルメブランド「しろのむらさき」を発表したのは昨年1月のこと。この米について「黒春米」と記された木簡も出土している。これを使った和菓子「古代米ゆべし」を試食する機会があった。

 先ごろ東京で、来年4月から同市の東北歴史博物館で開かれる「東大寺と東北」展の記者発表会があり、菊地健次郎市長が郷土の紹介を兼ねて「古代米ゆべし」をプレゼントしてくれたのだ。

 もっちりした黒っぽい菓子でクルミが入っていた。「しろのむらさき」は多賀城の「城」と古代米の色である「紫」を組み合わせた言葉。一般の米に比べてミネラルやビタミン、ポリフェノールの一種アントシアニンが多い。

 歴史をよみがえらせた米だが、ブータンではこの古代米がずっと作られ続けている。パロ盆地の平野部が秋になると稲穂で彩られる。黄色の面が白米で、褐色の面が赤米。古代の日本でも作られていた米だ。

 ところで稲穂の色が異なることを利用し、日本の各地で近年「田んぼアート」が行われている。福島県鏡石町では2012年から始まり、図書館から眺められるので「窓から眺める絵本」をテーマに制作。

 今年のテーマは一寸法師だ。5月に子供たちが田植えをし、7月には絵柄が現れ、10月に刈り取った後はLEDライトを設置して、冬の期間ライトアップ。6色を7種の稲を使って表現した。古代米や観賞用の稲も使われ、子供も大人も楽しんでいるようだ。