トランプ米大統領の長女で大統領補佐官でも…
トランプ米大統領の長女で大統領補佐官でもあるイバンカさん。トランプ氏の前に日本を訪れて話題を呼んだ。このイバンカさんの名前は「イヴァンカ」と表記する場合もある。どちらが正解というものではないが、気にならないこともない。
そういえば、昔はヴァイオリンという表記が多かった。だが、『広辞苑』を見ると「バイオリン」が項目となっていて、「ヴァイオリン」で引くと「バイオリンを見るように」との指示が出る。となると「ヴァ」は「バ」というシンプルな表記に変わっていくのか?とも思われる。
話は違うが、「1・2」(算用数字)と「ⅰ・ⅱ」(ローマ数字)。算用数字は普通に使われるが、ローマ数字は本のページや時計の文字盤に用いられる。
本の場合でいえば、新書などで「まえがき」や目次のページを表記する時に「ⅰ・ⅱ」が使われることが多い。逆に、本文で「ⅰ・ⅱ」と書くことはない。
同じ一冊の本なのだから2種類の表記は不要なのではとも思うが、岩波新書や中公新書では「ⅰ・ⅱ」が使われている。反対に、講談社現代新書は「1・2」だ。
「ヴァ」と「ⅰ・ⅱ」という表記には、共に戦後啓蒙(けいもう)主義の名残が感じられる。価値の源泉はヨーロッパにあるという発想だ。古くは明治の文明開化にあり、戦争の時代を経て戦後に復活した。しかし、昨今の歴史の流れは「バイオリン」のように「ヴァ」から「バ」への方向にあるように見えることも確かだ。