今年、日本オペレッタ協会は創立40周年を迎え…
今年、日本オペレッタ協会は創立40周年を迎え、東京の北とぴあ・つつじホールでカールマン作曲「チャールダーシュの女王」が今月21日と22日の両日、上演された。全3幕日本語上演である。
2014年にNPO法人となり第3回の本公演。この作品は第1次世界大戦が始まった頃のブダペストとウィーンを舞台にした物語で、庶民と貴族の人間模様が、侯爵の息子エドウィンと歌姫シルヴァの恋を軸に展開する。
チャールダーシュはハンガリーの民族舞踊で、情熱的で激しいリズムの踊り。演ずる人も聞く人も血を沸かせ肉躍らせる魔性の音楽だ。そこに米国のジャズがヨーロッパ風にアレンジされて新鮮さを盛り込んでいる。
同協会名誉会長の寺崎裕則さんは、1974年から75年にかけて旧東独で演出家フェルゼンシュタインに師事。帰国して「歌・踊り・芝居」ができる「歌役者」を養成した上、観客も育てるべく同協会を創立。
歌舞伎の演出経験もあり、日本人に合った、日本人が楽しめる音楽劇を目指してきた。楽しく面白いオペレッタはぴったりのジャンルだった。セリフやしぐさも歌舞伎のエッセンスが隠し味になっている。
21日の公演は吉田拓人さん(指揮)、田中宏子さん(シルヴァ)、田代誠さん(エドウィン)らが熱演。劇画家の池田理代子さんも出演して、優れたソプラノ歌手としての姿を披露した。新人歌手らが育ってきて登場し、深みに新鮮さを添えていた。