「グアムに対して何かすれば、誰も見たことのないような…
「グアムに対して何かすれば、誰も見たことのないような事態が北朝鮮で起きることになる」。核・ミサイルをめぐり米朝の応酬がエスカレートしている。トランプ米大統領の言葉を「ディール」に至るための威嚇とみる向きもあるが、危機が一段と深まっているのは事実である。
北朝鮮のミサイル発射を受け、全国の自治体では政府などが主催する住民の避難訓練が相次いで実施されている。これに対し、静岡県下田市の共産党市議が抗議したという。国民の生活や安全を売り物にする党の市議がである。
それにしても軍事攻撃に、自然災害と変わらない避難訓練という対応しか取れないのかと歯がゆさも覚える。自然災害の多い日本では、自然の猛威を一種運命のように受け止めてきた。そのためか、戦争による惨害をも同じように捉える傾きがある。
だが、軍事攻撃の背後には敵意を持った主体がある。また、その攻撃は通常兵器から核兵器や化学兵器によるものまであり、対応は全く異なってくる。
考えたくもないことだが、東京が核攻撃を受けるという最悪の事態も想定から排除すべきではないのではないか。地下鉄の構内を核シェルター代わりにするため、通気口にフィルターを設置すべきだと主張する政治家もいる。
北の核・ミサイル危機は今年から来年にかけ、一つの落としどころへ収斂(しゅうれん)していかざるを得ない状況にある。起こり得るあらゆる事態を想定し、準備を急がねばならない。





