「週刊文春」が「週刊新潮」の中吊り広告を…
「週刊文春」が「週刊新潮」の中吊り広告を盗み見して「スクープ泥棒」を繰り返したとする新潮(5月25日号)の告発に対し、文春側は疑惑を突っぱねる編集長のコメントを出した。
証拠を元にした告発に反論の記者会見をするでもなく、一片のコメントで済ますのでは誰も納得しない。小欄が審判を期待したジャーナリストの池上彰氏は両誌(6月1日号)で<文春さん、それはずるいんじゃないですか>(新潮)と、やんわり窘(たしな)める見解を表明した。
「『見て』『知る』ことができたのであれば、記事書き換えという『行動』を起こすことが可能になります。これはやはり正当なやり方ではな」いと考えるのが普通である。
新潮では池上氏のほかに元文藝春秋社長の田中健五氏ら8人の識者が厳しい見解を寄せた。「文春はまったく非を認めないだろ。これではもう他人を叩く資格はない」(政治評論家・屋山太郎氏)。「もしこのまま不正を認めなければ、自分たちの問題さえ解決することが出来ない媒体が、他者に切り込んでいくことなど出来ないとの評価を下されるでしょう」(上智大学教授・田島泰彦氏)。
文春は取材相手に「まず、お宅の疑惑の説明責任を果たされてから」と、取材拒否の口実を与える状況を招いたことになる。
もっとも、これぐらいの逆風でへこたれるヤワな文春ではないのかも。その場合のコロシ文句もある。「それも結構です。後で週刊新潮が来るだけですから」