「新緑の香に新緑の風を待つ」(稲畑汀子)…
「新緑の香に新緑の風を待つ」(稲畑汀子)。みずみずしい緑が、山や河原、公園などの木々にあふれている。木々の放つ香りが風に運ばれてきて鼻をくすぐる。
森林浴まではいかないが、気分がリフレッシュさせられる。気温もかなり上昇し、全国各地で真夏日となっている。このまま夏に突入してしまいそうだが、まだ梅雨が控えている。
梅雨の季節のじめじめした天気を好む人は少ないだろう。だが、梅雨は植物の生長に欠かせない。特に、稲などの穀物にとっては文字通りの恵みの雨である。秋の豊かな実りも雨があってのこと。
湿度の高い日は、暑さも倍加する気分になる。汗ばむシャツに不快感を覚えたり、加齢臭を心配したりしてしまう。男性用化粧品が人気を集めているが、最近は臭いに敏感な人が多いようである。
梅雨はものを腐らせ、食中毒などにかかりやすい季節でもある。テレビの健康番組でも、カレーを一晩寝かせることでの食中毒や寄生虫のアニサキスなどの特集を放映していた。カビもこの時期に発生しやすい。水回りや風呂場の黒カビはよく見掛ける。
かつては、こうした極小の病原菌や微生物を発見することができなかったので、病気は呪(のろ)いや神罰のようなものと考え加持祈祷(きとう)をしたが、現在では顕微鏡などによって解明が進んでいる。昭和3(1928)年のきょうは、有名な細菌学者の野口英世がアフリカで研究中、黄熱病に感染して亡くなった日である。