今年は慶応3(1867)年の「大政奉還」から…
今年は慶応3(1867)年の「大政奉還」から150年の節目。武家政権が終わって新しい国造りへの転換となった事件だった。京都市では年間を通して「大政奉還150周年プロジェクト」を実施。
京都市内はじめ全国各地の博物館で企画展やシンポジウムが開かれ、幕末維新で活躍した人々のゆかりの20都市と相互交流を図る。このテーマに関する都市間連携事業としては過去最大の規模。
福島県会津若松市では松平容保、山本覚馬、秋月悌次郎の名が挙げられ、東京都千代田区では徳川慶喜、大村益次郎、品川弥二郎、井伊直弼の名が登場。東京の江戸東京博物館で開催中の「没後150年 坂本龍馬」もこの一環だ。
翌年に勃発したのが戊辰戦争。来年150周年を迎えるため、会津若松市は記念事業のロゴマークを決定した。記念ポスターなどで使用するという。デザインは千代田区在住の須賀裕明さん。
地元紙「福島民友」は「戊辰戦争150年プレ企画」を開始。「識者に聞く」で評論家の半藤一利さんが「維新再考」と題して語っている(5月7日付)。明治維新という言葉が使われだしたのは明治13年か14年だったという。
「薩長が、自分たちが革命を起こし、徳川幕府を倒し天下を取ったが、それが間違った革命ではない、歴史の流れの正当性があるんだ」と主張するために使ったと半藤さんは言う。新たな未来のために、近代の出発点にあった出来事の再検証が不可欠なのだ。