民進党は本気で責任ある政権交代を考えているのだろうか?…
民進党は本気で責任ある政権交代を考えているのだろうか? 旧民主党政権の失政続きで野党転落から4年。民進党結成から1年、党勢回復を期待されて登場した蓮舫代表体制となって半年を迎える中で開かれた党大会からは、そんな疑問が膨らんでくる。
蓮舫氏は「(民進党が)もう一つの選択肢を示す政党だと国民に伝えたい」と強調した。「政治人生のすべてを懸けて、共生社会を政権交代で実現していきたい」とも訴えた。
確かに二大政党制の一翼を担う、政府・与党に代わり得る「もう一つの選択肢」は望ましい。だが、国を率いていくための基本的な見識がこの人には見事なまでに欠落している。
とても任せられたものではない、というのが正直な感想だ。賛否は別にして、氏が掲げた原発ゼロ社会(エネルギー改革)や教育無償化などの具体的政策は、それはそれでいい。
としても、北朝鮮の弾道ミサイル4発発射や韓国の朴槿恵大統領罷免判決、沖縄県・尖閣諸島沖での中国公船の領海侵入の続発など、日本の外交・安保環境は激変している。政権交代を叫びながら、これら喫緊の課題への言及がまったくないのは無責任のそしりを免れまい。
ふっと氏の「二重国籍問題」にも思考が絡んでしまう。「野党になっても責任ある対応が国民の期待につながる」と述べた連合の神津里季生(りきお)会長の言葉は、こうした脈絡で解釈すると深い。蓮舫氏の安保認識を問う記事掲載は小紙だけである。