イタリアのランペドゥーサ島は、シチリア島…
イタリアのランペドゥーサ島は、シチリア島からさらに南西へ220㌔の所にある、人口5500人の漁村。この30年間、アフリカ大陸から船で逃れてきた難民の中継地になってきた。
ジャンフランコ・ロージ監督はこの島に1年半滞在し、ドキュメンタリー映画「海は燃えている」を製作。少年を中心とする島民の日常生活が活写され、救助を求める難民が描かれるが、島民と難民は交わることがない。
4年前から救助船が難民の救助に当たり、難民は島の抑留センターから、本土へと移されるからだ。2月11日の公開に先立ち同監督が来日し、先日、東京のイタリア文化会館で記者会見した。
「島で重要な人々との出会いがありました」という一人が、バルトロ医師だ。救助された難民すべてについて立ち会ってきた。病院に行くか、抑留センターに行くか、死亡した者か、分ける。
島を通過する難民は年間5万人。映画の中でバルトロ医師は「どれだけ検分したか分からないが、決して慣れることがない」と言う。難民と島民をつなげているのがこの医師なのだ。
「近くに存在するがコミュニケーションが取れていないこの図式は、ヨーロッパのメタファー(隠喩)」と同監督は語る。「政治的な映画を作ったつもりはありません。作品の枠の外で政治的なものが呼吸している映画なのです」と解説。詩的な作品である。昨年、第66回ベルリン国際映画祭で金熊賞(グランプリ)を受賞した。
イタリアのランペドゥーサ島は、シチリア島からさらに南西へ220㌔の所にある、人口5500人の漁村。この30年間、アフリカ大陸から船で逃れてきた難民の中継地になってきた。
ジャンフランコ・ロージ監督はこの島に1年半滞在し、ドキュメンタリー映画「海は燃えている」を製作。少年を中心とする島民の日常生活が活写され、救助を求める難民が描かれるが、島民と難民は交わることがない。
4年前から救助船が難民の救助に当たり、難民は島の抑留センターから、本土へと移されるからだ。2月11日の公開に先立ち同監督が来日し、先日、東京のイタリア文化会館で記者会見した。
「島で重要な人々との出会いがありました」という一人が、バルトロ医師だ。救助された難民すべてについて立ち会ってきた。病院に行くか、抑留センターに行くか、死亡した者か、分ける。
島を通過する難民は年間5万人。映画の中でバルトロ医師は「どれだけ検分したか分からないが、決して慣れることがない」と言う。難民と島民をつなげているのがこの医師なのだ。
「近くに存在するがコミュニケーションが取れていないこの図式は、ヨーロッパのメタファー(隠喩)」と同監督は語る。「政治的な映画を作ったつもりはありません。作品の枠の外で政治的なものが呼吸している映画なのです」と解説。詩的な作品である。昨年、第66回ベルリン国際映画祭で金熊賞(グランプリ)を受賞した。