日本経済新聞社が約10年前に開いたIT通信の…
日本経済新聞社が約10年前に開いたIT通信の国際会議で、出席者の一人、韓国の大手新聞社社長が「韓国がネット先進国なのは、民主主義がより進んでいるから」という内容の話をしていた。
韓国の今の混乱した政情を見ると、インターネットが必ずしも健全な民主主義の発展に貢献するとは思えない。一方、こうした同国でネット上の悪質な書き込みによる被害を減らすための「ソンプル運動」が拡大している。
韓国語の「善(ソン)」と英語の「リプライ(応答)」を合わせた造語で「善意のコメント」の意味。2007年、ネット上で人身攻撃を受けた有名女優の自殺をきっかけに、韓国の中央大学英語科教授だった閔丙哲さんが始めた。
「悪口の書き込みでなく、励ましや応援のコメントを」と呼び掛け始まった運動は今や、小学校から大学まで計7000校と企業や行政機関など100団体以上、会員約60万人が参加する一大ムーブメントに発展している。
先日、閔さんは熊本県庁に小野泰輔副知事を訪れ、「地震発生2日後に善意の書き込みサイトを立ち上げて以来、熊本の被災地へ1万3000通の書き込みがあった」として、その内容をまとめた「韓国青少年からの善意の書き込み」ボードを手渡し運動をアピールした。
日本では1963年に「小さな親切」運動が始まり、「不安な人を助けたい」という善意の輪が広がって今年で54年を迎えた。韓国版小さな親切運動にも期待したい。