飛行試験のため先月末、米ワシントン州グラント…
飛行試験のため先月末、米ワシントン州グラントカウンティ国際空港に到着した国産初の小型ジェット旅客機MRJ(三菱リージョナルジェット)。年内にも2~4号機が到着し、今後400人態勢に増強、試験を加速させる。
「開発の一ページであり、しっかりと飛行試験を進めていきたい」と、飛行試験の管理者の一人、岩佐一志氏。型式証明の取得には約2500時間の飛行試験が必要で、晴天が多い気象条件を生かし、9割以上を米拠点で行う計画だ。
日本を離れて米国で試験を行うのは飛行環境が適していることもある。しかし航空機開発、受注拡大を狙うのに最も大切なことは国際的信用の獲得で、その安全なシステムを運航会社にアピールするには、実績のある試験地で行うことが重要だ。
例えば、米ボーイング社の超大型旅客機ボーイング747-400。既に人気のモデルだったが、そのコックピットの開発には29の運航会社から369人のパイロットが5981時間のシミュレーター試験に携わったとされる。
MRJの場合、「航空機製造の知見の乏しさ」(関係者)から開発は遅れ、初号機の納入時期を4回延期している。しかしここは、最終的により安全、安心のシステムという評判が得られるよう目標を立て、粛々とその試験を進めてほしい。
運航の安全管理のためには、念には念を入れ、事前調整を行うのが、今の世界の航空機開発の方向と考えられる。