日米を股に掛ける記録については、先に…
日米を股に掛ける記録については、先にマーリンズのイチロー選手がピート・ローズ氏の記録を上回る4257安打を達成して大リーグでは論議を呼んだが、今度は広島の黒田博樹投手である。先発した23日の阪神戦(7回無失点)で日米通算200勝の達成は、2005年のデビルレイズ(現レイズ)の野茂英雄投手以来の日本人2人目の偉業である。
野茂氏が36歳に対して、黒田投手は41歳の達成。日本での200勝投手24人の達成年齢比べでは、黒田投手は42歳の山本昌氏(元中日)に次ぐ年長となる。
ドジャース、ヤンキースの7年間で79勝、あとはメジャー時代前後の広島で13年間に121勝。200勝は20年間にわたり営々として努力で築いてきた勲章である。
独創的なトルネード投法を引っ提げ大リーグに挑戦し、強靭な意志で愚直なまでに押し通してきた野茂氏の戦い。日本では剛球投手で鳴らした黒田投手だが、大リーグの中4日の登板間隔などに対応するため、力勝負や完投へのこだわりを捨てた。
「プロである以上は結果を残し続けないといけない」と考え、沈むツーシームなどを習得。大リーグ仕様の多彩な変化球を駆使し、名門チームのローテーションを守り続けた。
野茂氏と黒田投手。大リーグでの対照的な投球スタイルを見せた2人だが、野球にかけた闘志、チャレンジ精神、強靭な意志と努力一筋の、それぞれの男の生きざまは記録を超えた輝きを放つ。