「楽はいまセロの主奏や氷菓子」(松尾いはほ)…


 「楽はいまセロの主奏や氷菓子」(松尾いはほ)。蒸し暑い日が続くので、ついアイスクリームに手が伸びてしまう。

 アイスクリームを食べるのは夏だけでなく、むしろ冬に増えているという。それだけ室内暖房が発達した環境の変化も大きいだろう。いずれにしても、アイスクリームはこの季節、気が付いた時には食べ過ぎという結果にもなりかねないので要注意。

 作家の中で明治の文豪・夏目漱石は甘党だったらしく、アイスクリームもこよなく愛したという。自宅に業務用のアイスクリーム製造器まで設置したほどだった。漱石の弟子・芥川龍之介もやはり甘いものを好み、特にくず餅が好物だったとか。

 「向日葵の花油ぎる暑さかな」(芥川龍之介)。その芥川にちなんだ文学賞の第155回芥川賞は、村田沙耶香さんの「コンビニ人間」に決まった。現代人に欠かせなくなったコンビニを舞台にした小説は、作者の村田さん自身の実体験が反映され、現在でもコンビニで実際に働いていることが会見で明かされている。

 今や国民的な話題を提供する感のある文学賞で、受賞とともに、その作品がベストセラーになることも多い。が、売り上げに対する貢献では最近、書店員が選ぶ「本屋大賞」がかなり存在感を増している。

 芥川は昭和2(1927)年のきょう、多量の睡眠薬を飲んで自殺した。その忌日は、晩年の作品「河童」にちなんで「河童忌」と名付けられている。