安倍晋三首相は海上保安学校(京都府舞鶴市)…
安倍晋三首相は海上保安学校(京都府舞鶴市)の卒業式で「平和で豊かな海を守る海上保安庁の役割はこれからも変化し、重要性を増していく」と“海の警察官の卵たち”を激励した。
沖縄県・尖閣諸島周辺での度重なる中国船の領海侵入や、日本周辺海域でのサンゴ密漁の多発など、日本を取り巻く海の波は穏やかではない。違法操業に限っても、外国船のやり口は露骨になっている。
海上保安庁は昨年から、外国漁船が日本の漁場で漁をしないよう、三陸沖の排他的経済水域(EEZ)周辺の監視を強化。ヘリコプターを駆使した哨戒活動や日本漁船からの情報収集などを進めている。
水産資源の需要・消費は世界的に拡大し、価格は上昇している。サバやサンマを日本以外の国が日本近海で獲るようになって、日本の漁獲量は減少した。漁獲枠設定などのルール作りを急ぎ、日本のEEZ内での違法操業は忍耐強く取り締まる必要がある。
先日、南シナ海で違法操業中の中国漁船の摘発妨害で、インドネシア当局が中国側に抗議した。また今月中旬、南米アルゼンチンで違法操業中の中国の大型漁船に当局が警告したが、停船命令に従わなかったため発砲、沈没させたことも明らかになった。
水産物の乱獲や違法操業の問題は、既に大きな国際問題になっている。国際的な枠組みでの資源管理に日本も強く関与していくとともに、日本の近海警備をさらに強化すべきだ。