近くのスーパーの花壇で毎年クリスマスごろ、…


 近くのスーパーの花壇で毎年クリスマスごろ、独特の深緑葉の間に品のいい白い小さな花を咲かせるヒイラギが、もう花を付けているのを見て驚いた。神奈川県に住む友人は、近くでボケの花が咲いたと言ってくる。平年より暖かかったり寒かったりの不安定気候。

 先週は12月並みの寒さに震えたが、週末と昨日は平年よりも温(ぬく)かった。都内の紅葉は高尾山(イヌブナ=黄色)、奥多摩(モミジ=紅・黄色)など山間部と昭和記念公園(イチョウ=黄色)、府中の森公園(モミジ=紅色)が見頃に。

 日比谷公園(イチョウ)、新宿御苑(モミジ)、駒沢オリンピック公園(ケヤキ=レンガ色)などが色づき始めたという。いよいよ紅葉シーズンを迎えた土曜日に、原宿の明治神宮境内を歩いた。

 羽織・袴姿が凛々(りり)しい男児、晴れ着が可愛い女児が親に手を引かれ七五三参り。カメラを向ける外国人観光客に、ピースして笑顔を見せる風景が微笑ましかった。が、それよりも意外な発見があった。

 なーんだと言われるかもしれないが、境内の森の青々とした緑だけの深さ、美しさである。見上げている頭にドングリが当たった。椎や樫、楠(くすのき)など照葉樹木の森は年中、変わることのない緑の照り葉を輝かせていた。

 紅葉の美しさを奏でる森や林とは違う、もう一つの荘厳な自然美があった。「うつせみの代々木の里はしづかにて都のほかのここちこそすれ」(明治天皇御製)