トルコ南西部アンタルヤ県の県都アンタルヤは…
トルコ南西部アンタルヤ県の県都アンタルヤは地中海に面した風光明媚な地。高級リゾート地として知られ、長期滞在する西欧の人たちも多い。周辺には古代遺跡がたくさん残っている。
郊外に向けバスで30分ほど行くと、紀元前2世紀に建てられた古代ローマ劇場がある。小アジア最大級の円形劇場で、完璧に近い状態で保存され目を見張る。観覧席の一番上に立って舞台を見ると頭がくらくらするほど高いが、古代ローマ時代の息吹が感じられる。
アンタルヤは、パウロらキリスト教の聖人が行き来した所でもある。ビザンチン帝国、セルジューク・トルコ、オスマン・トルコの支配下でも要衝として生き続けた歴史的な町である。
このアンタルヤで主要20カ国・地域(G20)首脳会議が開かれ、129人の犠牲者を出したパリ同時テロを強く非難した。「地球規模でのテロの広がり」を印象付けた事件直後に国際会議が開かれた地として、改めて名を留めることになった。
閉幕後の記者会見で、オバマ米大統領は「市民に対するさらなる攻撃に備え、できることはすべてやらなければならない」と述べ、対策強化を強調した。
安倍晋三首相が訴えたテロリストの資金源遮断の重要性はアルカイダの前例からも明らかだ。さらに「テロとの戦いにおける核心は情報分野」(吉原恒雄・元拓殖大教授)であり、日本は本腰を入れて情報機関や防諜機関の整備を進めるべきだ。