「朝露によごれて涼し瓜の土」(芭蕉)。…


 「朝露によごれて涼し瓜の土」(芭蕉)。知人が所用でしばらく家を留守にするので、家庭菜園の水やりを頼まれた。鉢植えで育てているのは、ウリのほか、スイカ、メロン、カボチャなど。だが、ツルが伸び、花も咲いているものの、どうも実をつける様子がない。

 肥料もやっているのだが、どうしてか分からない。受粉のせいか、厳しい暑さで水やりが足りないからか。気流子も都合があるので毎日はできず、そのせいかもしれないと思ったりもする。

 一方、狭い壁沿いに植えられたゴーヤや大葉は、それほど世話をしなくても繁茂し、実をつけている。土壌や植物自体の生命力なども関係するのかもしれない。

 夏の甲子園が始まり、熱戦が繰り広げられている。高校球児の試合は、郷土愛や愛校心を刺激して応援にも熱が入る。気流子の母校はこれまで甲子園に出場したことはないが、球児たちの活躍には関心がある。

 今年も逸材がいるようで、何人かが取り上げられ話題にもなっている。プロのスカウトも目をつけているらしいが、難しいのは、高校で一流選手であっても、プロでそのまま通用するわけではないことだ。

 むしろ挫折し、いつの間にか名前も忘れ去られていく場合が少なくない。それだけプロの世界は厳しい。未完成の逸材をどのように育てるか。花を咲かせ実を結ばせるのは、植物も人間も難しいという点では共通している。