「七月の青嶺まぢかく熔鑛爐」(山口誓子)…


 「七月の青嶺まぢかく熔鑛爐」(山口誓子)。梅雨はまだ明けたわけではないが、7月を迎えると夏の到来が間近であることを感じさせる。

 稲畑汀子編『ホトトギス新歳時記』では、7月を「梅雨が去ると本格的な夏の暑さが来る。学校の夏休みも始まり、登山や海水浴も盛んでもっとも夏らしい月である」と表現している。夏のレジャーはやはり、山や海が中心になるということだろう。

 1日に富士山の山開きが行われた。だが、これは山梨県側(吉田口)のことで、静岡県側(富士宮口・須走口・御殿場口)は10日になる。これは昨年からの変化。静岡県側の事情(バイオトイレの開設準備など)で、10日にずらしたのが今年も適用されるようだ。

 山開きは残雪の影響などで遅れることもよくある。『ホトトギス新歳時記』には「夏は、信仰のため、スポーツのための登山が多い。梅雨が明けて炎天が続くようになると、山が落ち着いて危険が少なくなり、誰にでも登りやすくなるからである。その夏山の登山開始日を山開という」とある。

 「山開とて歩かねばならぬ道」(稲畑汀子)。最近は、健康のために山登りなどに挑戦している高齢者をよく見かける。しかし、それも適度な運動であればこそ。

 過度になることは控えなければならない。熱中症にも気をつけたい。さらに登山や海水浴ではこの時期、遭難事故が多いので改めて注意が必要である。