「先生が一方的に教えるというのではなく、…


 「先生が一方的に教えるというのではなく、答えが一つでない課題を子供たちに投げかけ、子供たち自身が考え議論する道徳、つまりアクティブ・ラーニングの時間へと転換する」。

 平成30~31年に小中学校の道徳教科化が始まるが、下村博文文部科学相は、5月にあった民間のシンポジウムで道徳の時間についての考え方をこう示した。

 今日、いじめ問題一つをとっても、その解決には、子供たちが得心するまで考え議論し、一人一人に理非曲直を納得させなければならない。難しい時代になったと言えよう。教員の指導力が極めて重要で、その向上のため養成や研修の充実を図りたい。

 道徳教科化に期待を寄せる人たちの意見の中には、授業でこうした側面に力を入れるとともに、「偉人伝」を子供たちに読ませるべきだとの声が多い。現在、街の本屋で伝記専用の棚を置いている所はほとんどないようだ。

 「偉人の条件は(中略)『時代や社会の中で生きた人間』であることが大きいと思います」と、文筆家の木原武一さんが月刊誌「望星」3月号の「偉人伝のススメ」をテーマにしたインタビューで答えている。

 「その時代の緊急を要する難問を自ら引き受けるところから偉人が生まれ、その献身的な行動が人々に賞賛されていくのだと思います」と。人生の進路がまだ決まらない少年期に歴史上の人物を知ることの大切さを指摘している。