「着物に興味を持つ若い女性は多く、彼女たち…


 「着物に興味を持つ若い女性は多く、彼女たちは、すごく繊細で、感受性が豊かだと感じます」――和文化研究会代表・藤間浩菊さん(36)に話を聞いた。

 近年、「和物」ブームが続いており伝統的な和服などが人気だ。藤間さんは着物の着付けや日本舞踊の教室を開く紫派藤間流師範でもあるが、「『お母さんの着物を着てきた』とか『おばあちゃんにもらった着物を大事にとってある』と話す娘さんもいて、両親、祖母つながりで着物を継承している場合が多い」と見る。

 「着物を着だす子は、次に、日本人の精神性を知り、立ち振る舞いの美しさを身に付けたいと、日舞を習いにくる子もいます」と。日本文化に引かれる若い人たちの存在は興味深い。

 背景に、日本社会の安定・成熟があることも見逃せない。また多くの若者が海外を旅し、改めて日本文化に目覚める機会が増えた。藤間さんが中央大学法学部を卒業後、日舞を習うようになった経緯もそうだった。

 今、着付けや日舞を学びに通うのも「おしとやかな一方、世界にちゃんと日本文化を伝えたいという国際派で、バイタリティーのある現代風のお嬢さんが多い」のだそうだ。

 和物人気は来日する外国人の間にも広がっている。応対する側の日本人に対して「相手を知るには、まず自分をよく知ること。そして自分に誇りを持つことで、相手の良さも認められるようになる」と藤間さんは話している。