久しぶりに夜更かしをして、NHKのラジオ…


 久しぶりに夜更かしをして、NHKのラジオ深夜便を聞いた。午前3時からの「にっぽんの歌こころの歌」は、村田英雄特集だった。きょうは平成14年73歳で亡くなった村田さんの命日である。

 「無法松の一生」や「皆の衆」などが流れ、最後は昭和36年発売の大ヒット曲「王将」。当時、気流子は小学校低学年だったが、子供にもすんなりと入ってくる曲だった。

 西條八十の歌詞、船村徹の曲、そして浪曲で鍛えた村田さんの歌唱のどれも素晴らしい。それら三つが完璧にマッチして、ヒットするのも当たり前と思う。時代の空気や風潮にも合っていた。

 アナウンサーが「戦後初のミリオンセラー」と紹介していた。そういえば最近は、演歌に限らず歌謡曲で大ヒット曲が出ない、どうしてだろう、と考えてしまった。娯楽の多様化や世代間での好みの違いが大きくなっているのが原因の一つだろう。

 世代を超えて受け入れられたヒット曲といえば「高校三年生」(昭和38年)がその代表だろう。そこまで古くなくても、広い世代に支持されたヒット曲はひと頃まで結構作られてきた。それが今はほとんどない。最近の紅白歌合戦が面白くないと言われるのも、そのあたりに原因があるのではないか。

 村田さんは最も男性的な演歌歌手の一人だったが、この頃は演歌でも「男」を歌う歌が少なくなった。「男らしさ・女らしさ」を否定するジェンダーフリーの影響だとすれば心配だ。