直接の被害者でなくても、東日本大震災に…


 直接の被害者でなくても、東日本大震災によって、その後の人生が変わったという人は少なくないだろう。当時、千葉県で建造物のリフォーム会社を経営していた中島弘貴さん(64)もその一人。

 何の前触れもなく襲い、膨大な犠牲者を生む自然災害に驚愕(きょうがく)した。「我々の祖先は、何度も地震、津波によって命を奪われ生活を破壊されながら、それを克服して今日の繁栄を築き上げてきた。その原動力は何なのか……」という思いにとらわれた。

 そこで天啓のごとく閃(ひらめ)いたのが、子供の時から親しんできた国歌「君が代」の歌詞である。特に「さざれ石の巌(いわお)となりて」と、破壊された小石が集まって巌になることを歌った箇所は、御代の永代とともに「繰り返し立ち直ってきた日本の姿」そのものを表現していると。

 その後、NPO法人神田雑学大学の吉田源司さんらの協力を得、君が代を日常生活の場で歌い、学校教育に取り入れようという運動を提案した。普及に努める「日本創生さざれ石の会」を創設し専念することに。

 「君が代は生きる力を与える言霊」を理論的支柱とする小冊子『【君が代】の言霊』を配布した。緩やかな国民運動体として展開し約2000人の賛同者、会員がいる。

 君が代のものとされるさざれ石が岐阜県揖斐川(いびがわ)町にあり、同県の天然記念物だ。中島さんは「国歌に織り込まれたさざれ石の存在をもっと知ってほしい」とも。