文化審議会がこのほど重要文化財に指定する…


 文化審議会がこのほど重要文化財に指定するように答申した旧朝香宮邸(東京・白金台)は、昨年秋に東京都庭園美術館としてリニューアルオープンした。庭園も先月下旬から一部公開に。

 皇族・朝香宮鳩彦王の住宅として昭和8(1933)年に建築の邸宅は、内装が当時フランスを中心に流行したアール・デコ様式でまとめられた。その意匠的な価値は高く、建物そのものを鑑賞する企画が時々行われるほど(今年は7月18日から)。

 いまは「マスク展」を開催中だ。パリの人類博物館と国立アフリカ・オセアニア美術館が合併してできたフランス国立ケ・ブランリ美術館所蔵のアフリカやアジアなどの仮面コレクション約100点の展示で、同美術館による日本初の展覧会。

 特にアフリカ・セクションでは同美術館のカタログ掲載の貴重な作品がそろった。オセアニアやアメリカ大陸の仮面や神像からも、旧朝香宮邸が建設された時代に、パリの芸術家たちに新鮮な驚きと影響を与えた表現を垣間見ることができて興味深い。

 「この展覧会は非西洋と呼ばれるマスクの展示。ピカソはアフリカやオセアニアの芸術に興味を持ち、さまざまなオブジェをコレクションしていた。使われている素材が多様で、新しいものを作り出していった。それがアール・デコの創造性に発展していく」とケ・ブランリ美術館チーフキュレータのイヴ・ル・フュール氏は語る。

 マスク展は来月30日まで。