イスラム過激派のタリバンは2001年3月12日…


 イスラム過激派のタリバンは2001年3月12日、国際社会からの批判を無視して、予告通りにアフガニスタン、バーミヤン遺跡の大仏を破壊した。米国で9・11テロが起きたのは、それから6カ月後。今から振り返ると、これはイスラム過激主義の破壊活動の狼煙だったと言える。

 過激派組織「イスラム国」(IS)は、彼らの拠点とするイラク北部モスルの博物館で、収蔵品を破壊する映像をインターネット上に公開した。石像を引き倒し、ハンマーで無惨に打ち砕く映像だ。

 タリバンの大仏破壊は、世界のイスラム過激主義者へのアピールを狙ったものだった。ISの行為も同様である一方、彼らが拠点を失う前に破壊できるものは破壊しておこうという焦りの表れのようにも見える。

 偶像崇拝を禁ずるのは、イスラム教に限らず、ユダヤ教、キリスト教の特にオーソドックスやプロテスタントも同様だ。中でもイスラム教はそれが最も厳しく、何かを象ることも禁忌とされた。とはいえ、いずれもその本質は偶像を「崇拝」することへの戒めにある。

 崇拝、礼拝の対象ではなく、文化財、歴史資料となった博物館の石像を破壊するのは、信仰の本質とは関係のないことである。

 このほかにも、彼らは殺人などもろもろの野蛮な行動を映像で宣伝している。偶像を否定しながら、彼らこそ、過激な行動や暴力を映像として偶像化させ、利用しているのである。