「尾は蛇の如く動きて春の猫」(高浜虚子)。…


 「尾は蛇の如く動きて春の猫」(高浜虚子)。春が少しずつ近づいてくるとともに、ノラネコを公園などで見かけるようになった。ネコは主に屋外で活動するイヌと違い、暖かい場所を好むせいか、冬の間は外にほとんど姿を現さない。

 俳句の歳時記では「猫の恋」が2月の季語となっている。稲畑汀子編『ホトトギス新歳時記』によれば「早春、猫のさかるのをいう。夜昼を問わず、物狂おしく鳴き立てて、妻恋う猫が往き来する」とある。

 しかし、2月の半ばはまだ寒いし、夜もネコの鳴き声はほとんど聞かれない。これは歳時記が、現在の陽暦ではなく旧暦の季節感に拠っているからだろう。ペット愛好家には「ネコ派」と「イヌ派」がいるとよく言われる。

 両方が好きだという人もいるが、だいたいはどちらかに分かれるようだ。気流子はネコ派になるかもしれない。と言っても、イヌとネコを比べれば、の話である。

 実家では動物を飼っていなかったので、なかなか小動物との距離の取り方が分からない。最近では、ペットを自分の子供のようにかわいがる飼い主が少なくない。半面、失うことによる精神的な打撃「ペットロス症候群」も大きいようだ。

 きょう2月22日は「猫の日」。ネコの鳴き声の「ニャン(2)ニャン(2)ニャン(2)」との語呂合わせで昭和62(1987)年に制定された。ちなみに「犬の日」は「ワン(1)ワン(1)ワン(1)」で11月1日である。