報道機関のヘリコプターが災害現場の上空を…
報道機関のヘリコプターが災害現場の上空を飛び回り、生き埋めになった人の助けを求める声がヘリの音でかき消されたという話が出ていた(小紙25日付メディアウォッチ)。
災害の素早い報道には小回りが利き、現場を俯瞰(ふかん)できるヘリが重宝されるが、先のような問題が生じるのであれば検証が必要だ。欧米ではヘリが多目的に使われ、その分、飛行規程はより整備されている。習うべきところもあろう。
わが国では、ヘリコプターや小型機は、バブル経済が華やかだった1980年代、物流手段だけでなく企業のステータスとしても所有された。しかしバブル崩壊でヘリの需要が激減し、民間での馴染みは薄くなった。
また今世紀に入ってから、民間ヘリの死亡事故なども相次ぎ、操縦士のなり手も減って不人気の職種の一つとなった経緯もある。箱庭のような狭い国土では使い勝手がよくないという意識も広くあった。
だが近年、機動力のあるヘリに対する需要は高まっている。医師が同乗し患者を病院に搬送するドクターヘリが10年ほど前から活躍。自衛隊や自治体ヘリの従来の救急搬送や山岳救助、林野火災の消火活動も欠かせない。政府はこのほどヘリの操縦士の本格的養成を決めた。
ある科学者のアイデアに「津波など災害時前後、上空から直接、避難情報を流すことは非常に有効だ」というのがある。ヘリの活用法をいろいろ案出し大いに利用したい。