横綱・白鵬が初場所13日目にして、元横綱…
横綱・白鵬が初場所13日目にして、元横綱・大鵬を抜いて歴代最多33度目の優勝を決めた。今場所は何番かきわどい相撲もあったが土付かず、強さと安定感が際立つ。千代の富士ら歴代の名横綱も破ることのできなかった大鵬の大記録を更新し、さらに伸ばしそうな勢いだ。
大鵬親方からは四股名の「鵬」の字をもらい、尊敬し、アドバイスを受けていた。記録は破られるためにあるというが、これ以上ない形で恩返ししたことになる。
「横綱というものは、勝たなければいけない。勝てなければ、引退しかないんだよ」という大鵬親方の言葉が胸に突き刺さったという。白鵬の勝負への厳しさは「綱」への責任感の表れである。
「心・技・体」ともに充実した白鵬だが、特に精神力、相撲に対する姿勢は日本の力士も見習ってほしい。「相撲は、日本の伝統です。文化です。良い相撲を取るためには、日本の伝統と文化を勉強しないといけない」。小紙の新春特別座談会で、ソドブジャムツ・フレルバータル駐日モンゴル国大使が紹介した白鵬の言葉だ。
日馬富士、鶴竜との直接対決はきょう以降だが、両横綱と比べても白鵬は一頭地を抜いている。ただ、相撲ファンとしては、力の拮抗(きっこう)したライバルがいた方が当然面白い。
栃錦・若乃花の栃若時代、大鵬・柏戸の柏鵬時代、北の湖・輪島の輪湖時代は、横綱対決に手に汗握った。白鵬を脅かす強力なライバルの出現が望まれる。