「商人に商人魂十二月」(小畑一天)。…
「商人に商人魂十二月」(小畑一天)。12月というと「師走」や「年末」などの言葉が思い浮かぶ。他の月とは違う特別な感じもする。
街に出かけても、まだ年末商戦という雰囲気ではない。その前のクリスマス商戦が徐々に盛り上がっているようで、飾り付けをチラホラ見かける。このクリスマスは日本古来の伝統文化ではないが、今ではすっかり冬の風物詩となっている。
日本はさまざまな海外文化を受け入れ、消化してきた歴史がある。正月は中国の道教の影響が指摘されているし、今では「こどもの日」となっている「端午の節句」や「七夕」にしても、大陸などから渡来したものである。
そのことを思えば、クリスマスも伝わってきたのが近現代というだけであって、長い歳月が過ぎれば、七夕のように日本の伝統文化となっていくかもしれない。しかし、本来のクリスマスが持つキリスト教の宗教性は無くなってしまうのも、日本的受容の形態であることは間違いない。
その意味では、特にここ数年、マスメディアで紹介され、仮装パーティーなどで盛り上がる「ハロウィーン」もクリスマスやバレンタインのようになっていく可能性もあるだろう。
ただハロウィーンも、もともとは秋の収穫を祝い、悪霊を追い払うための宗教的な行事だったが、現在ではこうした意味合いは失われている。いずれにせよ、そろそろ来年のことが気になってくる時期である。