違法でないと認識し、たばこ感覚で気軽に…
違法でないと認識し、たばこ感覚で気軽に「危険ドラッグ」を吸引して車を暴走させて起こす交通事故が、今年6月から7月にかけて相次いだ。東京・JR池袋駅前で暴走車が8人を死傷させた事件は記憶に新しい。
つい4カ月前のことだが、この時は「脱法ドラッグ」とか「脱法ハーブ」と呼ばれていた。麻薬などと似た効果がありながら違法と合法すれすれにある薬物の総称。
ソフトなネーミングに惑わされ、安易に手を染め事故を起こすケースが相次いで「覚醒剤などが絡んだ事故よりも目立つ」(警察幹部)。このために名称が危険ドラッグと改まり、取り締まりも強化された。
警視庁は8月から、運転手が危険ドラッグ使用の疑いが強い場合は現行犯逮捕(過労運転などの禁止で)することに。これに続いて全国で初めて、危険ドラッグ使用者が車を運転した場合に、交通違反がなくても最長半年間の運転免許停止の行政処分を行うことにも。
また昨日は、5月に長野県中野市で起きた危険ドラッグ吸引の元少年(20、危険運転致死傷罪などで起訴)が車を暴走させて消防士を死亡させた事故で、元少年に危険ドラッグを売った通信販売の元経営者が近畿厚生局麻薬取締部に逮捕された。
警察や関係機関挙げて危険ドラッグ規制強化に動いている。今年の交通事故死者数は9月末までで、年間4373人だった昨年同期より177人少ない2897人。14年連続減少に進んでいる。