トルコ国民は赤地に白の月と星をあしらった…
トルコ国民は赤地に白の月と星をあしらった国旗を身近でごく親しみのあるものとして、民家の軒端や所有するヨット、漁船などに掲げている。
国を愛する国民であり、国と国との間柄についても非常に敏感だ。こうしたトルコ国民の愛すべき特質は、日本にとっても幸いなことだ。
「一緒に旅することができる友人がそばにいることほど幸福なことはありません」とアフメト・ビュレント・メリチ駐日トルコ大使。先日、東京・渋谷のNHKホールで行われた日本・トルコ国交90周年記念「Memorial Concert2014」の席で挨拶した。
1890年、トルコ軍艦エルトゥールル号が紀伊半島沖で暴風雨のため遭難。それを知った地元民たちが決死の覚悟で救助に当たり、絶望的な状況の中、乗組員69人を助けた。1924年に両国は国交を樹立、トルコはその後も日本に恩義を感じ互いに親近感を持ち続けている。
『トルコ 世界一の親日国』(森永堯著、明成社)に詳しい。イラン・イラク戦争の最中の85年、テヘランで孤立し、絶望の淵に立った日本人ビジネスマンらを救ってくれたのはトルコ航空が派遣した航空機。当時のオザル首相の英断だった。
この時、日本から航空機は飛ばなかった。日本側に問うと「安全の保障がなかったから飛行機を出さなかった」と答えた(同書)。日本はいつからそんな腰抜けになってしまったのか。