「まあ蚊に刺された程度、大したことないよ」。…


 「まあ蚊に刺された程度、大したことないよ」。昔はこんな言葉をよく聞いた。しかし、もうそんな表現は適当でなくなった。

 蚊がヒトスジシマカだった場合、デング熱に感染しないとも限らない。代々木公園で採集した複数の蚊からデング熱のウイルスが検出されたため、東京都は同公園の大部分を閉鎖した。

 閉鎖は1967年の開園以来初めてという。昨日は新宿中央公園で感染したとみられる患者も確認された。この公園も閉鎖されるのだろうか。

 デング熱は、東南アジアなどを旅行して感染した人が都心の公園で蚊に刺され、その蚊がウイルスを媒介するようになったようである。代々木公園も新宿中央公園も普段から色々なイベントが開かれ人の出入りの多いところだ。

 一度英国人の友人が夏に来日した時、泊めた部屋に蚊が出るかもしれないからと、電気蚊取り器を用意してやったことがある。その時、友人は凄くおびえたが、どうもマラリアを連想したらしい。「日本の蚊に刺されてもマラリアには罹らないから」と説明したが、それでも不安を払拭しきれないようだった。

 今のところ、都内の2公園以外でのデング熱の感染は報告されていないから、ヒトスジシマカに刺されても、パニックに陥る必要はない。ただ、国境を越えた人の出入りが、かつてとは比較にならないほど頻繁になっている。蚊に刺されることへの昔のような鷹揚さは、捨てなければならないようである。