「畠から西瓜(すいか)くれたる庵主かな」…


 「畠から西瓜(すいか)くれたる庵主かな」(太祇)。梅雨明けから猛暑が続き、湿度とともに不快指数が上昇している。外に出掛けるよりも、クーラーが利いた室内でゴロゴロして無精を決め込んでしまいやすい。

 この季節にふさわしいフルーツが西瓜だろう。漢字ではなく、分かりやすくカタカナでスイカと書きたいところだが、これではJR東日本のスイカカードの方を連想してしまう。まぎらわしい次第である。

 西瓜は夏の風物詩で、海水浴場の西瓜割りで登場したり、花火大会などで食べたりするイメージがある。暑い日差しの中で冷やした西瓜は歯やのどに染み込むような甘味と食感がある。日本に伝来したのは室町時代あたりという説がある。江戸時代にも人気があったが、当時の品種は現在のように糖度が高くなく、砂糖を加えて食べるという方法が書物で紹介されている。

 夏を代表する存在の西瓜だが、俳句の季語としては旧暦に基づいて秋の季語となっている。といっても、歳時記をひもとくと8月の項目にあるから、夏を表す語だとも言えよう。

 そろそろセミの声も聞かれ始める時期。多数のセミが一斉に鳴きだせば騒音のように聞こえるはずだが、不思議とそうは感じない。これもまた夏の風物詩だ。

 きょう7月27日は「夏の綱」という語呂合わせで「スイカの日」となっている。「綱」とは横綱の意味で、縞模様のある西瓜を夏の果物の横綱と見立てたのである。